「自閉症」。
聞きなれた言葉ではありますよね。子どものころ、暗い性格の子を「自閉症」、「自閉気味」って言ってました。今でも自閉症を、そう捉える人はきっと多いことでしょう。
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わたしもけいが生まれるまでは、自閉症って?と考えることもありませんでしたし、機会もありませんでした。気にしたことがなかったのです。自閉症の人が身近にいなかったことで、考えたり、気にかけたりする機会もなかったのです。
だから、区の家庭児童相談室で説明もなく、「この子は自閉症かも・・・」といきなり言われたときは、「は?なんちゅうこと言うねん!」て憤りましたよ。この子、ちょっと変わってるけどよう笑うし、『殻に閉じこもってない』やん、と。何を見て自閉症って言うてんの?
まぁ、ふつうはこう感じると思いません?自閉症を知らない人は。その辺、役所はちょっと考えてほしいですね。そっちにはあたりまえのことでも、こっちにしてみたらな〜(`・ω・´)
今となってはその程度で落ち込まないくらい図太くなりましたけど、当時のウブで繊細な神経ではヘコみますよ。だって、「お宅のお子さん、障害ありますよ!自閉症ですよ!」って、いきなり言われてるんですからねー。「あ、そうですか!教えてくれてどうもありがとう!」って、にっこりスマイルでは受け入れられないですよね。
短大のころ、「レインマン」という、ダスティン・ホフマンとトム・クルーズが主演した映画を見ましたが、けいが自閉症だとわかるまであの映画は自閉症の人を描いたものだった、ということすら思い出せませんでした。ダスティン・ホフマンは映画で自閉症を演じました。今改めてみると、パニックの起こし方や、驚くべき能力、しぐさ・・・人によって、もちろん表れ方は違いますが、自閉症の特徴をほんとうによくつかんで表現されています。この映画を撮るにあたり、ホフマンは自閉症の人と共に生活した、と聞いたことがあります。わたしなんかは、けいちゃんのマネしろ、と言われても毎日生活しているのに・・・無理ですけど(笑)自閉症児を子に持って、改めて見てみると、かなり共感できる映画ですね。
昔、といってもまだ40年くらい前の話ですが、それまでは自閉症は精神の障害、つまり愛情不足だから、とか育て方が悪い、と言われていました。心理的な病気だと考えられていたのです。上に書いたように、子どもが暗い性格の子を自閉症、と言っていたのにはここに理由があります。学者が言ってたんですから。40年前にようやく、自閉症は脳障害だろう、と言われたのもアメリカでの話で、日本にその説が定着するまで、その後何年、何十年かかったのか、と思います。
わたしが子どものころ、自閉症児を持った母親はさぞかしつらかったと思います。いくら愛情を注いでも、思ったように愛情を返してはくれません。視線が合わないことも多いです。パニックを起こす人もいます。すべて母親のせいだと言われたら?ぞっとしますよ。母親自身でさえ、自分の子のことがよくわからないし(宇宙人みたい、って自閉症児のことを、親自身が言うのをよく聞きます)、子どもに愛情を注いでいるのに、他人にはわかってもらえない、さらに夫にも肉親にもわかってもらえない人もいたのではないでしょうか。
今では、中枢神経系(脳と脊髄を中心にした神経)と脳の障害ということはわかってきましたが、まだ自閉症を発症するはっきりした原因も治療法も見つかっていません。
しかし、「愛情不足からくるものではない」ということははっきりしただけでも、救われた母親も多いのではないでしょうか。
